時間 vs. お金。音楽と経済②

「私のクラスに来なさい。私は前にも日本人の学生を教えたことがあるから」

そう言って、私をクラスに入れてくれた教授は、経済学部で学生達からの評判が良い、ワイアン博士であることがわかりました。

とりあえず先生はいい人そうだったけど、私はユウウツでした。とうとう、経済のクラスに入ってしまった(必須科目だから、遅かれ早かれ取らなきゃいけなかったんですけどネ…)

授業初日を控え、テキストも購入したけど心が沈みました。
何?この分厚さ。
高校の教科書の3倍ぐらいあるじゃん。これを、アメリカ人と机を並べて4ヶ月で終わらせるっていうのっ!?あぁァ…この学期は暗い日々になるだろう。。

ところがです。
信じられない事が起こりました。

授業がメチャメチャ面白いのです。

ワイアン博士の講義です。
プレゼンテーションです!
ひとり芝居…上質なモノローグを観せてもらってるみたい♪
エンターテイメントでした☆
(^O^)(^O^)(^O^)

ワイアン先生の授業は、教科書の内容をベースにしながらも、生徒達が理解しやすいように、随所に例え話を盛り込んでいました。

その例え話というのも、私たちの日常が舞台になっていて、登場人物はすべて、ワイアン先生が自身の声色や抑揚を使って演じ分けてくれました。

授業中は笑いすぎないように、肩の震えを抑えるのに必死で、授業が終わる頃には、笑いでお腹が筋肉痛になっているという状態。

いつしか私は、お笑いのライブでも観に行く気分で、毎回ウキウキしながら経済学のクラスに出かけていくようになりました♪

ある時なんか、経済専攻の、南米から来た留学生の友達に頼みこんで、ワイアン博士が上級生対象に教えてるクラスに連れていってもらい、ちゃっかり聴講させてもらったりもしました。

さすがに内容はよく分からなかったけど、ワイアン先生の教室に座っていられるだけでシアワセだった
(もう、追っかけみたいなもんです)

こんなこと言ってもピンと来ないでしょうが、あのコメディアンの、デイヴィッド・レターマンみたい!知的なユーモアなんですよ
(^O^)

日本のお笑いにありがちなパターンで、相手に笑ってもらうために、自分(または他人)を低いとこに置く、っていうのとは違うんです。

余談ですが。
アメリカでは、同じ大学の教授でも、博士号を持っているかどうかで明確に区別されました。敬称が違うんです。

ワイアン先生のように博士号(Doctorate)を取得してる先生は、学生達から
「ドクター. 〇〇」
と呼ばれ、そうでない先生は
「ミスター(またはミズ). 〇〇」
って呼ばれてました。

ワイアン先生は、教授としての威厳を保ちながらも、笑いをツールに、低いところにいる生徒達に手を差しのべて、視点を引き上げてくれる感じでした。

「このクラスでは、絶対にAを取ってやる!」

私はワイアン先生に気に入られたい一心で勉強しました。
(つづく)